行政書士試験情報
このページは、行政書士試験を目指される方向けの情報です。
受験生の方や、受験を考えられている方は、ご活用ください。
1.試験概要
2.合格のための戦略
3.試験日前日までの準備と試験日当日の注意事項
* 受験資格 誰でも受験できます。
年齢・性別・学歴・国籍などの要件は一切ありません。
* 試験日時 毎年10月第4日曜日 13:00〜15:30(150分)
* 試験科目 法令等(5肢択一式35問、記述式5問)
・行政書士法(行政書士法施行規則)、憲法、民法、行政法
地方自治法、行政手続法、行政不服審査法、戸籍法、住民基本
台帳法、労働法、商法、税法及び基礎法学
一般教養(5肢択一式20問)
・国語、社会、数学、理科
* 合格基準 1)試験科目ごとの得点が、いずれも当該試験科目に係る満点の50パーセント以上であるもの。
2)試験全体の得点が、満点の60パーセント以上であるもの。
注)この基準は、毎年変動する可能性はあるものの、現行の試験方式に
なった平成12年以降は、今のところ変動していません。
*合格者の推移 (現行方式以後)
|
平成12年度 |
平成13年度 |
平成14年度 |
平成15年度 |
| 受験者数 |
44,446 |
61,065 |
67,040 |
81,242 |
| 合格者数 |
3,358 |
6,691 |
12,894 |
2,345 |
| 合格率 |
8.0% |
10.96% |
19.23% |
2.89% |
この合格率の変動からいえることは、この試験は今のところ「基準点」のみの相対評価で合否を決めているということです。他の資格試験、例えば司法試験や司法書士試験などでは、成績上位者の何%を合格者にするという絶対評価のもとで合否が決められているため、たとえ、その年ごとに問題の難易度にばらつきがあっても、合格率はほぼ近い数字になります。よって、この試験では、「他の受験生よりも1点でも多く点数を取る」よりも、「一定以上の点数を取る」ことに集中すべきであるということになります。
この試験に合格するためには、きちんとした戦略を描いた上で、効率的な学習が必要です。
もちろん、皆さん個々人によって、この戦略は変わってくるはずですが、オーソドックスな例を挙げたいと思います。
(1) 法令等
法令等については、試験範囲の法律の数も多いのですが、その出題数も、法律ごとにかなりの差がありますので、この辺りを把握しないでむやみやたらに勉強しても、効率が悪いばかりです。
下の表は、法令等における出題を、法律ごとに分類したものです。右側の「学習の可否」と「目標点」は、例えですので、ここは皆さんが判断されて決めていただければと思います。
|
法律名 |
択一(2) |
記述(6) |
配点 |
学習 |
目標点 |
| 1 |
行政法 |
9問 |
2問 |
30点 |
● |
14+9 |
| 2 |
憲法 |
5問 |
1問 |
16点 |
● |
8+6 |
| 3 |
民法 |
4問 |
1問 |
14点 |
△ |
2+3 |
| 4 |
行政書士法 |
4問 |
1問 |
14点 |
● |
6+6 |
| 5 |
地方自治法 |
4問 |
− |
8点 |
● |
6 |
| 6 |
商法 |
2問 |
− |
4点 |
× |
- |
| 7 |
税法 |
2問 |
− |
4点 |
× |
- |
| 8 |
基礎法学 |
2問 |
− |
4点 |
● |
2 |
| 9 |
戸籍法 |
1問 |
− |
2点 |
● |
2 |
| 10 |
住民基本台帳法 |
1問 |
− |
2点 |
● |
2 |
| 11 |
労働法 |
1問 |
− |
2点 |
× |
- |
| 合計 |
35問 |
5問 |
100点 |
- |
66点 |
過去4年の合格基準は6割ちょうどで固定されており、その他諸々の事情を考えますと、この基準はほとんど変動しないものとみられます。
一般教養の20問(40点)と合わせますと、この試験は140点満点ですので、その6割、つまり84点(+α)を取ればいいことになります。
但し、この試験には足切りがありまして、法令等、一般教養いずれかの点数が5割未満ですと、たとえ合計点で基準点を超えていても不合格となりますので、注意が必要です。
後述しますが、一般教養は範囲が広く、ヤマを絞り込むことが難しいと思われますので、一般教養については、まずこの足切り点を超える得点を目指すことが先決といえます。
(結果的に、この一般教養で高得点を稼ぐことができればいいのですが、最初から高得点を取ることを計算しておくのは避けた方が無難かと思います。)
よって、一番無難な計画は、法令等で64点(+α)、一般教養で20点を取って合格するというスタイルだと思います。
さて、話を戻しますと、法令等で64点(+α)を取るためには、どの科目に重点を置いて勉強し、どの科目で点数をどれだけ取るかという戦略を立てなければなりません。
もちろん、出題数の多い科目から優先的にやるべきなのですが、科目によって、学習範囲の広さや、理解しやすさ・理解しにくさなど、まちまちです。
このあたりは、個人個人で違うとは思うのですが、一般的に言いますと、憲法と行政書士法は、条文数がそれほど多くなく、出題範囲も広くはありませんので、ここは外せないと思います。また、行政法は、最初はなかなか取っつきにくい科目なのですが、配点が高く、また、行政書士の業務とは切り離せない法律ですので、ここは時間をかけてでも、得意科目にするべきでしょう。
地方自治法も、条文数は多いのですが、出る範囲は一部に集中する傾向がありますので、苦手意識をなくして高得点を稼ぎたい科目です。
基礎法学は、範囲が漠然としていて掴み切れない側面はありますが、それほど難解な問題は出ていませんので、1問は取りたいところです。また、戸籍法・住民基本台帳法は、条文数も少ない上に、基本的な問題が多く出題されていますので、ここでも点数を稼ぎたいところです。
以上の科目で、64点以上取ることができれば、ぎりぎりで合格できる可能性が出てきます。
しかし、万が一、基準点が若干上がることも可能性としては否定できませんし、更に、試験委員の先生方からすれば、各法律ごとに満点を出すことは、(ふるいにかけて選別するという)試験の趣旨からすれば、あまり宜しくないことですので、簡単に満点を取らせてくれるとは思えません。
この辺りもしっかり考慮してみて、点数が足りなそうな場合には、他の科目まで力を入れると宜しいかと思います。
ちなみに行政書士試験の民法ですが、その多くは、条文自体の内容を問うような、簡単な問題が出題されています。ただし、それは各々の条文内容を理解している人の場合であり、初学者にとっては、民法全体の条文数が多いことや、抽象的な内容の条文が多いことなどから、これを全体的に満遍なくやるのは困難ですし、効率的ではありません。
よって、例えば、宅建など他の資格試験等で、民法を学んだ経験をお持ちの方は、過去問を分析した上で、よく問われている部分を中心に知識をまとめていかれれば宜しいかと思います。ただし、この場合でも、全ての範囲をやるのは避けたほうが無難です。また、民法で満点(またはそれに近い得点)を狙うことも避けてください。おおよそ、民法の配点の半分を目処にすべきかと思います。
民法初学者の方は、確実に得点を取らなければならない科目の学習を中心にして、試験日までの学習スケジュールを立ててください。スケジュール的に無理がある場合には、民法を捨てる勇気も必要になります。逆に、学生の方のように、学習時間を多く取れる方は、過去問でよく問われている部分を中心に、まずは条文の理解に務めるようにしてください。
「街の法律家」として、試験合格後に開業される方は、民法の知識は絶対に必要となりますし、個人的には、民法をほとんど知らない方に、「法律家」を名乗ってもらいたくはないと思っています。
しかし、試験に合格しなければ、行政書士として開業できないことは事実ですので、スケジュール的に厳しい方は、まず試験に合格するための対策として、民法を捨てて、その分合格後に、しっかりと勉強していく方法をとっていただきたいと思います。
(2) 一般教養
一般教養の択一問題は、おおよそ国語6問、社会(時事問題を含む)11問、数学(+理科)3問という配分になっています。これだけを見ますと、文系出身のの人には「楽勝」のような気もするのですが、なかなかそうはいかないのが現状です。
特に厄介なのが社会です。過去問を見ていただければ分かるのですが、様々な範囲から少しずつ出題されているために、全範囲を学習するのは困難です。
更に、時事問題も出題されますので、新聞などをきちんと読んでいなければ分からないものも出題されています。
よって、まずは国語でしっかりと点数を稼ぐとともに、社会の中でも、確実に点数の取れるものを作っていくしかありません。
また、数学の問題も、時間をかければ解ける問題が1問はありますので、これは試験時間を多めに使ってでも確実に取っておきたいところです。
一般教養については、まずは肢切りに引っかからないことが大切ですので、10問の正解をどこで取っていくのかを、しっかり考えておきましょう。